このページでは、日本民俗学会第67回年会のテーマ「世界のなかの民俗学」にかかわる情報を紹介していきます。
以下の文献をオンラインで読むことができます[PDF] 。
年会終了後、10月13日(火)に国立民族学博物館で、年会公開シンポジウムの基調講演者のお一人、レギーナ・ベンディクス教授を囲む国際フォーラム「文化遺産レジームを考える―レギーナ・ベンディクス教授を迎えて」が開催されます。
レギーナ・ベンディクス氏の編著 Heritage Regimes and the State をご覧いただけます。
年会開催と同時期に、国立民族学博物館では特別展「韓日食博―わかちあい・おもてなしのかたち」が開催されています(開催期間:2015年8月27日(木)~ 11月10日(火))。この特別展は、韓国の国立民俗博物館と日本の国立民族学博物館とが共同で開催するものです。年会ご参加の前後などに、ぜひお越しください。
日韓国交正常化50周年を記念して、「韓国と日本の食文化と博物館」をテーマとした特別展を韓国国立民俗博物館と共同で開催します。韓国の「キムジャン(キムチ作りの文化)」と日本の「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録され「食」に関する文化的な関心が高まっています。両国の50年間の「食」の変化と、「食」の背景にある文化の共通性と差異を探ります。モノだけでなく、最先端の情報技術、「食」のワークショップをとおして、観覧者が体感できる「食」の展示です。(国立民族学博物館ホームページより)
・くわしくは、こちらをご覧ください。
・韓国国立民俗博物館については、こちらをご覧ください(日本語版ホームページ)。
レギーナ・ベンディクス氏は、現在、ドイツ・ゲッティンゲン大学においてヨーロッパ・エスノロジー(ヨーロッパ民族学。旧来の民俗学が発展した形態に付されている名称です)・文化人類学(Cultural
Anthropology)の教授であり、それ以前は、ペンシルベニア大学で民俗学と文化人類学を教えていました。アメリカとドイツの双方で教鞭をとった稀有な研究者だといえます。その経歴から、ヨーロッパと北米の民俗学の学問的伝統を接続することにも関心を持たれています。
現在の関心は文化のインターフェイスや文化遺産の問題、カルチュラル・ツーリズムなどの民族誌的研究に加え、ディシプリンとしての民俗学の歴史に関する研究も行っています。また、理論的な関心としては、感覚のエスノグラフィーや、コミュニケーションのエスノグラフィー、ナラティヴ研究など、多岐にわたっており、北米・ヨーロッパを代表する民俗学者のひとりです。主著にはIn Search of Authenticity(1997)などがあり、A Companion to Folklore(2012)の共編者としても知られています(文責:塚原伸治)。
※情報はRegina Bendix and Galit Hasan-Rokem eds. 2012(2014). A Companion to Folklore. Malden: Blackwellを参照しています。
Regina Bendix's ethnological sensation
We Have Never Been in a Box!
マイケル・ディラン・フォスター氏は、アメリカ・インディアナ大学民俗学・民族音楽学科で准教授をされている、数少ない日本研究のアメリカ人民俗学者です。研究関心は、日本の民俗および文学で、特に妖怪・超自然に関する研究において知られています。近年は下甑島のトシドンに関するフィールドワークを継続的に実施し、ユネスコ無形文化遺産と地域文化の関係に関する論文も多数執筆しています。
Pandemonium and Parade: Japanese Monsters and the Culture of Yokai(2008)およびThe Book of Yokai: Mysterious Creatures of Japanese Folklore(2015)などの著書があり、「視覚的想像―「甑島のトシドン」における見る/見られる関係の一考察―」(『日本民俗学』第273号)、「「私、きれい?」――女性週刊誌に見られる「口裂け女」」(小松和彦編、2003、『日本妖怪学大全』小学館)など、日本語で読める文献も複数あります(文責:塚原伸治)。
Dr. Michael Dylan Foster
アメリカ民俗学の近年の動向については、以下の文献をご参照ください。